在庫を担保に借りる。在庫担保融資(ABL)の仕組みと評価のされ方
在庫担保融資は、倉庫や店舗にある商品、原材料、仕掛品を担保にする融資です。在庫は売れて出ていき、仕入れで入ってくるため、「今この瞬間の在庫」ではなく「この倉庫にある在庫の全体」を担保にする仕組みが使われます。
集合動産の譲渡担保という考え方
在庫のように中身が入れ替わる資産を担保にするとき、貸し手は個々の商品ではなく、「特定の倉庫にある特定の種類の在庫全体」を一つのまとまりとして担保に取ります。借り手は在庫を通常どおり売ってよく、売った分の代わりに新たに仕入れた在庫が自動的に担保の範囲に入ります。
貸し手が第三者に対して権利を主張できるようにするため、動産譲渡登記が使われます。法務省の動産譲渡登記制度により、担保に入っていることを登記で公示でき、取引先に個別に知らせる必要はありません。
評価と掛け目
在庫の担保価値は、帳簿上の金額ではなく、処分したときにいくらで売れるかで見られます。貸し手は外部の評価会社に査定を委託することが多く、評価額に一定の掛け目をかけた金額が融資の上限の目安になります。
掛け目は在庫の種類で大きく変わります。汎用性が高く相場が明確な商品は評価されやすく、季節性の強い商品、流行に左右される商品、特注品は評価が低くなる傾向があります。掛け目の具体的な水準は各社の審査で決まり、公式サイトで公表している会社は当サイトの確認した範囲ではありませんでした。
実行後に続く報告
在庫担保融資では、融資の実行後も借り手に在庫の状況を定期的に報告する義務が付くのが一般的です。月次の在庫一覧、仕入と販売の実績、保管場所の変更などを貸し手に伝えます。貸し手は報告をもとに担保価値を見直し、在庫が大きく減れば追加担保や一部返済を求めることがあります。
この報告の手間が、在庫担保融資を扱う金融機関が少ない理由でもあり、借り手にとっても事務負担として事前に把握しておく必要があります。
評価費用の補助
東京都は、動産・債権担保融資(ABL)制度の中で、担保物件の評価費用を補助しています。制度融資の枠組みなので対象や条件は都の案内で確認する必要がありますが、評価費用が融資額に対して重いという構造への手当てとして用意されているものです。
在庫担保融資を扱うノンバンク
当サイトが公式サイトで動産担保融資の取扱いを確認できたノンバンクは、この記事の末尾に表示しています。セゾンファンデックスとAGビジネスサポートは在庫・売掛債権の両方を挙げており、オリックスは工作機械や建設機械などの機械設備を中心にしています。
在庫の種類によって対応できる会社は変わります。金利や限度額は各社の公表値を確認日付きで各社ページに載せていますが、実際の条件は在庫の評価を経て決まります。申込は各社の公式サイトで行ってください。
この記事に関係する会社
セゾンファンデックス ABL対応
扱う担保: 不動産・売掛債権・在庫・機械/金利 年3.4〜15%/限度額 500万円〜5億円
関東財務局長(12)第00897号|確認日 2026-09-04
セゾンファンデックスの公式サイトで条件を見るAGビジネスサポート ABL対応
扱う担保: 不動産・売掛債権・在庫・機械/金利 年5〜15%/限度額 100万円〜5,000万円
関東財務局長(9)第01262号|確認日 2026-09-04
AGビジネスサポートの公式サイトで条件を見る髙島屋クレイキャピタル ABL対応
扱う担保: 不動産・売掛債権・在庫・機械・その他/金利 年9.6〜15%/限度額 非公表
埼玉県知事(9)第03497号|確認日 2026-09-04
髙島屋クレイキャピタルの公式サイトで条件を見る- 法務省 動産譲渡登記制度の案内(2026-09-04確認)
- 東京都産業労働局「東京都動産・債権担保融資(ABL)制度」(2026-09-04確認)
- 各社公式サイトの商品ページ(2026-09-04確認)