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ABL(動産・売掛債権担保融資)とは。仕組み、担保になる資産、扱う会社

公開 2026-09-04更新 2026-09-04編集責任 大沼拓人(株式会社Lifalt)監修前

ABL(Asset Based Lending、動産・売掛債権担保融資)は、土地や建物ではなく、在庫・機械設備・売掛債権といった「事業を回すために持っている資産」を担保にする融資です。不動産を持たない会社でも、倉庫の在庫や取引先への売掛金があれば借入の選択肢になります。

ただし、扱う金融機関は多くありません。当サイトが公式サイトで確認した範囲では、事業者向け融資を扱うノンバンク32社のうち、動産または売掛債権を担保にした融資を明示しているのは7社でした。この記事では、ABLの仕組みと、担保になる資産の範囲、扱う会社の探し方を整理します。

ABLは「事業の中で動いている資産」を担保にする

不動産担保ローンでは、担保は登記された土地建物で、貸し手は抵当権を設定します。ABLの担保は、在庫や機械、売掛金のように、日々入れ替わったり回収されたりする資産です。

貸し手は、担保の価値を継続的に把握するために、借り手から在庫や売掛金の状況を定期的に報告してもらい、必要に応じて評価会社に価値の査定を委託します。担保を差し入れた後も、事業を続けながら在庫を売ったり、売掛金を回収したりできる点が、質入れとの違いです。売った在庫の代わりに新しい在庫が担保に入る、という考え方(集合動産の譲渡担保)が使われます。

担保になる資産と、ならない資産

公式サイトや制度の案内で担保の対象として挙げられているのは、次のような資産です。

  • 在庫商品、原材料、仕掛品
  • 工作機械、建設機械、営業車両などの機械設備
  • 取引先への売掛金、診療報酬や介護報酬などの債権
  • 農畜産物、水産物(地域の制度融資で対象になる例がある)

一方で、評価が難しい資産、換金しにくい資産、所有権が明確でない資産は担保にしにくいとされます。担保にできるかどうかは貸し手の評価次第で、同じ在庫でも会社によって判断が分かれます。

不動産担保ローン、ファクタリングとの違い

ABL不動産担保ローンファクタリング
担保・対象在庫、機械、売掛債権土地、建物売掛債権(譲渡)
法的な形借入(貸金業法)借入(貸金業法)債権の売買(貸金業法の対象外)
手元に資産は残るか残る(事業に使い続ける)残る(使い続ける)債権は譲渡する
貸し手の手間評価とモニタリングが続く登記で完結しやすい債権ごとの審査
扱う会社の数少ない多い多い

売掛債権を使う点で、ABLのうち売掛債権担保融資とファクタリングは似ていますが、前者は「借入」で、後者は「債権の売却」です。会計上の扱いも、手数料と金利の考え方も違います。この違いは別の記事で詳しく扱います。

なぜ扱う会社が少ないのか

理由は貸し手側の手間にあります。在庫や機械は会社ごとに中身がまったく違い、貸し手は自前で価値を見きわめられないため、外部の評価会社に委託することになります。東京都が動産・債権担保融資(ABL)制度で担保物件の評価費用を補助しているのは、この費用が融資額に対して重いからです。担保が在庫であれば実行後も継続的な報告と確認が要ります。不動産担保なら登記して見守るだけで済むのと比べ、ABLは貸した後も手間が続きます。

この構造が、ノンバンク32社中7社しかABLを扱わない理由であり、扱う会社を横断で探せる場所が無かった理由でもあります。

制度はあるのに知られていない

行政はABLの普及を長年後押ししてきました。東京都は評価費用の補助まで用意しています。それでも普及が進まない背景には、借り手側の認知不足があります。帝国データバンクが2024年に11,188社へ行った調査では、事業全体を担保にする新しい制度(企業価値担保権)を「知らない」と答えた企業が56.5%でした。一方で、活用意向は26.7%ありました。知られていないが、知れば使いたい層が4社に1社いる、という数字です。

ABLを扱う会社の探し方

当サイトでは、公式サイトで動産または売掛債権を担保にした融資を明示している会社だけを「ABL対応」として掲載しています。担保の種類ごとに、対応している会社を絞り込めます。

各社ページには、貸金業登録番号、公表金利、融資限度額、対象(法人のみか、個人事業主も可か)、確認日を載せています。金利や限度額は公式サイトの公表値をそのまま転記しており、当サイトが審査の可否を判断することはありません。申込は各社の公式サイトで行ってください。

この記事に関係する会社

セゾンファンデックス ABL対応

扱う担保: 不動産・売掛債権・在庫・機械/金利 年3.4〜15%/限度額 500万円〜5億円

関東財務局長(12)第00897号|確認日 2026-09-04

セゾンファンデックスの公式サイトで条件を見る

AGビジネスサポート ABL対応

扱う担保: 不動産・売掛債権・在庫・機械/金利 年5〜15%/限度額 100万円〜5,000万円

関東財務局長(9)第01262号|確認日 2026-09-04

AGビジネスサポートの公式サイトで条件を見る

オリックス ABL対応

扱う担保: 不動産・在庫・機械/金利 非公表/限度額 非公表

関東財務局(15)第00152号|確認日 2026-09-04

オリックスの公式サイトで条件を見る

髙島屋クレイキャピタル ABL対応

扱う担保: 不動産・売掛債権・在庫・機械・その他/金利 年9.6〜15%/限度額 非公表

埼玉県知事(9)第03497号|確認日 2026-09-04

髙島屋クレイキャピタルの公式サイトで条件を見る

ジャパン・ファイナンシャル・ソリューションズ ABL対応

扱う担保: 不動産・売掛債権・在庫・機械・その他/金利 〜年15%/限度額 100万円〜2億円

関東財務局長(15)第01468号|確認日 2026-09-04

ジャパン・ファイナンシャル・ソリューションズの公式サイトで条件を見る

Nクレジットファイナンス ABL対応

扱う担保: 売掛債権/金利 年3〜15%/限度額 300万円〜1億円

関東財務局長(15)第00011号|確認日 2026-09-04

Nクレジットファイナンスの公式サイトで条件を見る

栄光商事 ABL対応

扱う担保: 売掛債権/金利 年12.5〜18%/限度額 50万円〜5,000万円

神奈川県知事(15)第00052号|確認日 2026-09-04

栄光商事の公式サイトで条件を見る
出典・確認日
  • 東京都産業労働局「東京都動産・債権担保融資(ABL)制度」(2026-09-04確認)
  • 帝国データバンク「企業価値担保権に関する企業の意識調査」(2024年10月公表、11,188社)(2026-09-04確認)
  • 全国事業者金融協会(NBFA)会員一覧・取扱種目(2026-09-04確認)
  • 各社公式サイトの商品ページ(2026-09-04確認)
本記事は公開情報の整理であり、特定の会社への申込を勧誘するものではありません。融資の可否・条件は各社の審査で決まります。本記事は監修者による確認前の版です。監修完了後に表示を更新します。