業種別に見る、ABLで担保になりやすい資産。製造・建設・卸売・運送・医療
ABL(動産・売掛債権担保融資)で何が担保になるかは、業種でおおよそ決まります。この記事では、業種ごとに典型的な担保資産と、貸し手が見るポイントを整理します。個別の融資事例ではなく、公開情報から読み取れる一般的なパターンです。
製造業: 機械設備と原材料・製品在庫
製造業の資産の中心は、工作機械などの生産設備と、原材料・仕掛品・製品の在庫です。汎用の工作機械は中古市場があり評価しやすく、動産譲渡登記で担保にできます。在庫は、汎用性の高い原材料や規格品ほど評価されやすく、特注品や仕掛品は評価が下がります。
貸し手が見るのは、設備の年式と稼働状況、在庫の回転率、大口の売掛先の有無です。売掛先が安定していれば、機械・在庫・売掛債権を組み合わせた融資も検討対象になります。
建設業: 建設機械と完成工事未収入金
建設業では、重機や車両が動産担保の対象になり、工事代金の債権(完成工事未収入金)が売掛債権担保の対象になります。工事代金は発注者が官公庁や大手ゼネコンであれば信用力が高く、担保として評価されやすい一方、支払サイトが長く、出来高や検収のタイミングで金額が動く点が審査で見られます。
建設業は季節と工期で資金繰りの波が大きく、担保付きの融資枠を持つことで谷を埋める使い方が典型です。
卸売業: 在庫と売掛金
卸売業は、在庫と売掛金の両方が大きい業種です。商品在庫は仕入先が明確で相場も分かりやすく、集合動産の譲渡担保として扱いやすい資産です。売掛金は取引先の数が多く、分散しているほど担保としての安定性が高くなります。
貸し手が見るのは、在庫の回転日数、滞留在庫の割合、売掛先の分散度と回収実績です。AGビジネスサポートが公表している「単月売掛金の80%を上限」という条件は、卸売業のように毎月一定の売掛金が発生する業種で使いやすい形です。
運送業: 車両と運賃債権
運送業では、トラックなどの車両が動産担保の対象になります。車両は中古市場が確立しており、年式と走行距離で評価しやすい資産です。ただしリースや割賦で所有権が移っていない車両は対象外になります。
運賃の債権は、荷主が大手であれば売掛債権担保の対象になります。燃料費の変動で資金繰りが圧迫されやすい業種のため、車両を担保にした借入枠が使われます。
医療・介護: 診療報酬・介護報酬債権
医療機関や介護事業者には在庫や機械の担保は少ないものの、診療報酬・介護報酬の債権があります。支払元が社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会で信用力が高く、売掛債権担保の対象として評価されやすい債権です。入金までに2か月程度かかるため、その間の資金をつなぐ使い方が典型です。
医療機関向けの融資商品を持つノンバンクもありますが、当サイトが確認した範囲では、診療報酬債権を担保にした融資を公式サイトで明示している会社は限られます。
共通して見られること
どの業種でも、貸し手は次の点を見ます。
- 担保の所有権が借り手にあるか(リース・割賦・他の担保の有無)
- 処分価格の見積もりが立つか(中古市場、相場)
- 売掛先の信用力と回収実績
- 在庫・売掛金の管理資料を出せるか
業種に応じて当たる会社は変わります。担保の種類から対応する会社を絞れる一覧は、在庫・機械を担保に借りると売掛債権を担保に借りるにあります。融資の可否と条件は各社の審査で決まります。
この記事に関係する会社
セゾンファンデックス ABL対応
扱う担保: 不動産・売掛債権・在庫・機械/金利 年3.4〜15%/限度額 500万円〜5億円
関東財務局長(12)第00897号|確認日 2026-09-04
セゾンファンデックスの公式サイトで条件を見るAGビジネスサポート ABL対応
扱う担保: 不動産・売掛債権・在庫・機械/金利 年5〜15%/限度額 100万円〜5,000万円
関東財務局長(9)第01262号|確認日 2026-09-04
AGビジネスサポートの公式サイトで条件を見るジャパン・ファイナンシャル・ソリューションズ ABL対応
扱う担保: 不動産・売掛債権・在庫・機械・その他/金利 〜年15%/限度額 100万円〜2億円
関東財務局長(15)第01468号|確認日 2026-09-04
ジャパン・ファイナンシャル・ソリューションズの公式サイトで条件を見る- 各社公式サイトの商品ページ(担保の対象資産の記載)(2026-09-04確認)
- 中小企業庁「在庫や売掛債権を担保とする融資・保証について」(2026-09-04確認)