ABLと不動産担保ローンの違い。どちらを先に検討すべきか
結論を先に書くと、社長個人や会社が不動産を持っているなら不動産担保ローンを先に検討するのが一般的で、不動産がない、あるいは既に担保に入っているなら在庫・機械・売掛債権によるABLが選択肢に入ります。理由は、扱う会社の数と条件の公開度が、不動産担保のほうが圧倒的に高いからです。
担保の性質が違う
不動産は登記で権利関係が公示され、価値の評価方法も確立しています。貸し手は抵当権を設定すれば、その後は大きな手間なく担保を保全できます。
在庫・機械・売掛債権は、日々中身が変わります。貸し手は融資の実行後も、在庫の量や売掛金の残高を定期的に確認し続ける必要があります。担保の評価も、機械なら中古市場の相場、在庫なら処分価格を外部の評価会社に見てもらうことが多く、費用と時間がかかります。
この違いが、審査の見方、金利、扱う会社の数のすべてに影響します。
扱う会社の数と条件の公開度
当サイトが2026年9月時点で確認した範囲では、事業者向け不動産担保ローンを公式サイトで明示している主要なノンバンクは13社、動産または売掛債権を担保にした融資を明示している会社は7社でした。しかも7社のうち、金利や限度額を具体的に公表している会社はさらに絞られます。
不動産担保ローンは、上場企業のアサックス(年2.2〜8.76%、300万〜10億円)のように、金利のレンジと限度額を公表している会社が多く、比較がしやすい状態にあります。ABLは条件が個別相談になりやすく、「まず問い合わせる」ところから始まります。
金利水準の目安
公式サイトの公表値で比べると、事業者向け不動産担保ローンの下限金利は年2%台から4%台が多く、上限は8%台から15%程度に分かれます。ABLは、セゾンファンデックスが変動金利でみずほ長期プライムレート+2.00〜3.50%、固定で年3.65〜15.0%と公表しているように、下限は不動産担保と大きく変わらないものの、担保の評価によって幅が出ます。
金利だけで判断せず、担保の評価費用、モニタリングにかかる事務負担、融資までの期間を含めて比べることが要ります。
市場の動き
日本貸金業協会の月次統計(令和7年11月度実績)では、事業者向けの有担保貸付残高は前年同月比で14.5%増、その他の営業貸付は21.9%増と伸びています。登録貸金業者の数は減り続けているのに、残った業者の事業者向け貸付は増えている、という構図です。担保を使った事業者向け融資は、縮小している市場ではありません。
手元の資産から見た選び方
- 会社または社長個人の名義で不動産があり、担保余力(評価額から既存の借入を引いた残り)がある → 不動産担保ローンを先に比較する
- 不動産はあるが既に担保に入っている、または担保余力が小さい → 第二抵当に対応する不動産担保ローンと、在庫・売掛債権によるABLの両方を当たる
- 不動産がなく、在庫・機械・売掛債権がある → ABLを扱う会社に相談する。売掛債権が中心なら、ファクタリングとの比較も行う
どの場合も、融資の可否と条件は各社の審査で決まります。当サイトの各社ページは、公式サイトの公表条件を確認日付きで整理したもので、申込は各社の公式サイトで行ってください。
この記事に関係する会社
セゾンファンデックス ABL対応
扱う担保: 不動産・売掛債権・在庫・機械/金利 年3.4〜15%/限度額 500万円〜5億円
関東財務局長(12)第00897号|確認日 2026-09-04
セゾンファンデックスの公式サイトで条件を見るAGビジネスサポート ABL対応
扱う担保: 不動産・売掛債権・在庫・機械/金利 年5〜15%/限度額 100万円〜5,000万円
関東財務局長(9)第01262号|確認日 2026-09-04
AGビジネスサポートの公式サイトで条件を見る- 日本貸金業協会 月次統計資料(令和7年11月度実績、令和8年1月26日公表)(2026-09-04確認)
- 各社公式サイトの商品ページ(2026-09-04確認)